ニュースやサイバー攻撃の話題でよく耳にする「トロイの木馬」。 名前は知っていても、実際にどんな仕組みで動き、どんな被害をもたらすのかを説明できる人は意外と多くありません。
本記事では、IT担当初心者でも理解しやすいように、 トロイの木馬の特徴、侵入方法、被害例、そして実務で役立つ対策までを丁寧に解説します。
トロイの木馬とは
トロイの木馬とは、正規のソフトやファイルに見せかけて侵入し、内部で不正な動作を行うマルウェアの一種です。ユーザーが自ら実行することで感染する点が特徴で、 見た目では判断できないため、最もだまされやすく厄介なマルウェアと言えます。
■ 特徴まとめ(表)
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 偽装 | 正規ファイルに見せかける |
| 実行型 | ユーザーが開くことで感染 |
| 潜伏 | すぐに異常が出ないことが多い |
| 多機能 | 情報窃取・遠隔操作など多用途 |
どんな動作をするのか
情報を盗む
トロイの木馬は、パスワードやクレジット情報など、 ユーザーの入力内容を盗む機能を持つことがあります。キーロガー機能を備えたタイプは、 キーボード入力をそのまま攻撃者に送信するため、 オンラインサービスのアカウントが乗っ取られる危険があります。
遠隔操作を可能にする
攻撃者がPCを遠隔操作できる状態を作るタイプもあります。
- ファイルの送受信
- 画面の閲覧
- マルウェアの追加インストール
- カメラやマイクの操作
こうした動作はユーザーが気づきにくく、 長期間にわたって内部情報が抜き取られるケースもあります。
他の攻撃の踏み台になる
トロイの木馬は単体で動くとは限りません。
侵入後にランサムウェアを展開したり、 社内ネットワークに感染を広げるための“入口”として使われることもあります。
どこから侵入するのか
メール添付
最も多いのがメール経由です。請求書や業務連絡を装ったファイルを開かせ、 その中に仕込まれたプログラムが実行されます。
偽サイト
正規サイトに似せた偽ページから、 「アップデート」「セキュリティ警告」などを装ってダウンロードさせる手口もあります。
フリーソフト
無料ツールや便利アプリに見せかけて配布されるケースもあります。特に非公式サイトからのダウンロードは危険性が高く、 初心者が最も引っかかりやすいポイントです。
感染すると何が起きるのか
トロイの木馬は、感染してもすぐに異常が出ないことが多いため、 気づいたときには被害が広がっているケースが少なくありません。
■ 主な被害例
- パスワードや個人情報の漏えい
- 社内システムへの不正アクセス
- ランサムウェアの展開
- 顧客情報の流出
- PCの遠隔操作
- 不正送金やアカウント乗っ取り
企業にとっては、技術的な被害だけでなく、 信用低下や法的リスクにもつながる重大な問題です。
見抜きにくい理由
正規ファイルに見える
アイコンやファイル名が本物そっくりで、 初心者はもちろん、慣れた担当者でも見分けがつかないことがあります。
すぐに動かない
感染後すぐに異常が出ないため、 「気づいたら内部に入り込んでいた」というケースが多いのが特徴です。
セキュリティソフトを回避
高度なタイプは、 セキュリティソフトの検知を避ける仕組みを持っています。
基本的な対策
更新を徹底する
OSやアプリの更新を怠ると、 脆弱性を突かれて侵入されやすくなります。
メールの扱いに注意
不審な添付ファイルは開かない、 差出人を確認するなど、基本的な行動が大きな防御になります。
EDRの導入
EDRは端末の挙動を監視し、 不審な動きを早期に検知できます。トロイの木馬のような潜伏型には特に有効です。
権限管理を見直す
管理者権限を必要以上に与えないことで、 侵入後の被害拡大を防げます。
まとめ
トロイの木馬は、見た目では判断できず、 初心者が最もだまされやすいマルウェアのひとつです。しかし、侵入経路や特徴を理解し、 基本的な対策を積み重ねることで、 被害を大きく減らすことができます。
IT担当者として、 「怪しいファイルを開かない」「更新を怠らない」など、 日常の小さな行動が大きな防御力につながります。そしてその対策を共有、教育することで被害にあう確率を限りなく下げることができるのです。











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